中国の海路交通確保の先には

中国の海路交通確保のための港建設への多額援助はよく知られたところですが、具体的にはパキスタンのグワダル港建設があり、既に運営権を獲得済みと伝えられています。この港からはバングラデシュのチッタゴン港やミャンマーのダーウェイ港を結ぶインド洋の海上交通の要が存在し、さらに西進していけばアフリカが見えてきます。既にその途中のケニアのラミュ港、モザンビークのベイラ港、タンザニアのダルエスサラーム港の3港の開発にも中国は手を挙げていると伝えられており、これらの港を結んでいけばアフリカ資源のメイン輸送路確保が完成し、海洋貿易での優位性確保という目論見のなか、最近では、一帯一路(一帯の陸路と一路の海路を合わせた中国が2014年に提唱した広域経済圏構想)で欧州間の陸路とともに海路の充実は中国にとって重要政策となっていると言われています。ちなみに、資源の内訳は、北アフリカ諸国の石油に始まり、中部~南部にかけては、金、銀、ダイヤからアルミ、マンガン、クロム、コバルト、鉄鉱石から木材に至るまで資金力に任せた資源確保が急ピッチで進められています。2009年発行の著書「アフリカを食い荒らす中国」という題名そのままという状況が続いていると言っていいのかもしれません。ただこのようなアフリカ向け戦略は実は最近になって急にというわけではありません。既に1990年代から始まっていたと言われています。例えば、1995年当時の江沢民国家主席のアフリカ6か国訪問に端を発し、1999年にはアフリカ戦略の基本方針を掲げ、2000年には、アフリカ45か国を招聘してのFOCAC(中国アフリカ協力フォーラム)開催や、2005年開催のCABC(中国アフリカビジネス協議会)には中国企業1万6000社が参加したと伝えられており、その蜜月関係は世界でも周知の事実と言えるのではないでしょうか。